電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は主に建設業界向けの資格で、電気工事の管理、監督に必要な専任技術者、監理技術者、主任技術者になることが出来る国家資格です。

モノづくりエンジニアの資格とは言い難い資格ですが、全く無縁という訳でもありません。プラントエンジニア、ビルメンテナンスなどで、電気系エンジニアには大変価値ある資格です。

 

電気工事施工管理技士は資格の種類としては名称独占資格ですが、「監理技術者」「主任技術者」を選任するための資格要件であり、施工には必ず必要とされる資格です。

 

電気工事施工管理技士については、国土交通大臣から試験機関の指定を受けている一般財団法人建設業振興基金のホームページに大変詳しく説明があります。

ただ、詳し過ぎて全体を知るのに苦労します。ここでは概要を説明しますので、もっと詳しく知りたい点をホームページで見つけてください。

では、電気工事施工管理技士の転職市場における需要や転職に活かす方法、及び資格の概要、受検方法、難易度などを紹介していきます。

 

電気工事施工管理技士の資格は設備保全の転職に有利か?

電気工事施工管理技士の資格名で求人を探すとかなりの件数が見つかります。やはり建設業界には絶対不可欠な資格なので価値が高いのです。

主な転職エージェントで探した求人件数と、年収600万円以上の割合を合わせてご覧ください。

 

【電気工事施工管理技士の求人件数】

転職エージェント 求人件数 年収600万円以上
リクルートエージェント 2,910 73.5%
リクルートダイレクトスカウト 2,436
doda 1,529 79.1%
リクナビNEXT 614 73.5%
パソナキャリア 277 74.4%
マイナビメーカーAGENT
メイテックネクスト 108

*2021年12月調査。時期によって件数は増減します。

マイナビメーカーAGENTのデータは公式サイトにてご確認ください。好条件の求人が多数あります。

 

表をご覧の通り、電気工事施工管理技士という資格そのものは転職市場で非常に需要が多く、価値の高い資格です。

全ての転職エージェントサービスで求人件数も多いし、年収600万円以上が70%を超えています。

 

ただし、600万円以上の求人には、「300万円~」「300万円~700万円」などを含みます。必ず600万円を保証するものではありません。

リクルートダイレクトスカウトはほぼ全ての求人が年収600万円以上です。

リクナビNEXTは年収500万円以上の割合です。また、メイテックネクストには年収検索機能がないので省略しています。

 

このように求人件数は多いのですが、当然ながら資格で検索すると「施工管理」の求人がずらりと出てきます。

プラントエンジニアや設備保全限定だとここまで多く出てきません。

 

そこでプラントエンジニア・設備保全などエンジニア職に限定して電気工事施工管理技士の求人を探してみました。

 

【プラントエンジニア・設備保全で電気工事施工管理技士の求人検索】

転職エージェント 求人件数 年収600万円以上
リクルートエージェント 620 58.5%
doda 558 80.6%
リクルートダイレクトスカウト 285
リクナビNEXT 217 61.8%

*2021年12月調査。求人件数は時期によって増減します。

 

プラントエンジニア、設備保全などのエンジニア職に限定すると求人件数は1/3から1/4以下に減ってしまいます。

あくまで主流は建設業界の施工管理職に必要な資格です。

 

それでも電気工事施工管理技士の資格を活かして建設業界からエンジニア職への転職を希望するなら、可能性はあります。

上記の転職エージェントサービスでアドバイザーに相談してください。登録や相談は完全無料です。

電気工事施工管理技士の年収はどのくらい?

先ほどは求人件数と合わせて年収が600万円以上の割合を紹介しました。

ただし、説明した通りかなりアバウトな目安に過ぎません。もう少し絞り込んだデータも紹介します。

 

dodaの職業図鑑によると、施工管理の平均年収は445.8万円と出ています。また求人ボックス給料ナビによれば524万円と出ています。

マイナビエージェント、メイテックネクストなど主要な転職エージェントサービスで調べると400万円~600万円辺りの求人が多いです。

 

ハイクラス求人限定のリクルートダイレクトスカウトでは、ほとんどの求人が年収600万円以上で、1,000万円を超える年収も普通に見つかります。

 

電気工事施工管理技士の1級を保有し、特定建設業の主任技術者や監理技術者で採用されるとかなりの高額年収が期待できます。

年収アップを目指して同じ建設業界への横すべり転職もありです。

年収アップ

 

リクルートダイレクトスカウトの求人ではプラントエンジニアにもかなり高額年収の求人が出ているので、こちらに興味のある人もぜひ検索してください。

 

電気工事施工管理技士検定の概要

【資格名】

電気工事施工管理技士

 

【どんな資格か】

●主に建設業にかかわっている人が取得する国家資格であり、名称独占資格です。

建設業法による建設業許可を取得する際に必要な電気工事の専任技術者、監理技術者、主任技術者として認められる資格です。

●電気工事施工管理技士の資格には1級と2級があります。

・1級
特定建設業電気工事の専任技術者、主任技術者、監理技術者として業務が可能。

・2級
一般建設業の電気工事の専任技術者、主任技術者として業務が可能。

●特定建設業と一般建設業

・特定建設業
工事元請として1件当たりの金額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上の営業が可能な業者。

・一般建設業
工事元請として1件当たりの金額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)未満の工事か下請けとしてのみ営業する業者。

●1級も2級も1次検定に合格すると、2次検定に不合格でも技士補の称号が得られるようになります。

そして次回受検には2次検定から無期限で受検可能です。

また技士補がいると監理技術者の配置義務が緩和されるといったメリットがあります。

 

【受験資格】

学歴・保有資格・実務経験年数などの条件があります。

かなり複雑なのでここでは省略します。詳細は試験機関の指定を受けている一般財団法人建設業振興基金のホームページをご覧ください。

 

【受験方法】

●1級
・1次受検申込 1月~2月
・1次試験 6月
・1次合格発表 7月
・2次試験 10月
・2次合格発表 翌年1月

 

●2級(1次・2次検定同日受検の場合)
・受検申込 7月
・試験 11月
・合格発表 翌年1月

2級は1次検定だけを6月にも受検できます。

受検スケジュールの詳細な日程は一般財団法人建設業振興基金のホームページをご覧ください。

 

【受検手数料】

●1級
・第一次検定:13,200円
・第二次検定:13,200円

●2級
・第一次・第二次検定(同日受検):13,200円
・第二次検定のみ:6,600円
・第一次検定のみ:6,600円

 

【試験地】

●1級
札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

*受験票に試験地が記載されています。

●2級
札幌・青森・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・鹿児島・沖縄

*受験票に試験地が記載されています。

 

【試験問題】

1級、2級とも科目は同じです。

●第一次検定
・電気工学等
・施工管理法
・法規

 

●第二次検定
・施工管理法

各科目の詳細についてはこちらのページからご覧ください。

 

過去の試験問題についてはこちらをご覧下さい。

『過去の試験問題・合格基準』(一般財団法人 建設業振興基金)

 

【合格率・難易度】

令和2年度の合格率です。

なお、令和3年度より、学科試験が1次試験、実地試験が2次試験と名称が変更になっています。

●1級(学科:令和2年10月18日 実地:令和3年2月21日)

科目/合格者 受験者 合格者 合格率
学科試験 14,407 5,493 38.1%
実地試験 6,723 4,887 72.7%

*学科試験のみ合格 1,484名

 

●2級(令和2年11月8日)

科目/合格者 受験者 合格者 格率
学科試験 8,239 4,818 58.5%
実地試験 6,588 2,967 45.0%

*学科試験のみ受験して合格 1,641名

*学科試験と実地試験を受験して学科のみ合格 1,197名

 

まとめ

電気工事施工管理技士は主に建設業界向けの資格で、電気工事の管理、監督に必要な専任技術者、監理技術者、主任技術者になることが出来る国家資格です。

従って施工管理の求人には非常に強い、有利な資格です。しかし、モノづくりエンジニアの転職にはそこまで有利な資格とは言えません。

 

しかしプラントエンジニア、ビルメンテナンスなどには一定数の求人が出ているので、資格を活かした転職希望のあなたはぜひ転職エージェントで探してみてください。

モノづくりエンジニアの専門資格

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