機械保全技能士は設備保全、メンテナンスの技能を証明する国家検定(技能検定)です。
この検定は保全エンジニアが自分のスキルアップの為に受検する検定と言えます。
検定実施機関である、日本プラントメンテナンス協会によると、毎年受検者数は3万人以上で、モノづくり分野の資格では受験者数ナンバーワンです。
私が20年間勤務した半導体工場の、何人かの保全エンジニアがこの資格を保有していました。資格保有者はトップレベルのエンジニアとして第一線で活躍していました。
なお、機械保全技能士を活かした転職方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
機械保全技能士検定の概要
そのうち合格した人は13,160人で、合格率は41.7%でした。
2級以上はかなり難易度が高く、十分な準備と経験がないと合格は難しい検定です。
【検定名】
【どんな検定か】
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●機械系保全作業、電気系保全作業、設備診断作業の3種類の区分があります。
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●検定等級は、特級、1級、2級、3級があります。
【受検資格】
【受検方法】
項 目 | 概 要 |
願書受付 | 8月~9月 |
学科試験 | 12月~1月 |
実技試験 | 12月~2月 |
試験場 | 各都道府県に指定された会場 |
受検料 学科のみ | 4,600円 |
受検料 実技のみ | 15,400円 |
受検料 学科・実技両方受検 | 20,000円 |
*2022年4月に受検料改定。
*2級、3級は年齢や学生によって減額があります。詳細は下記日本プラントメンテナンス協会のサイトを参照ください。
*不合格の場合でも学科、実技、どちらか合格すれば次回から免除されます。
*令和4年度(2022年度)の試験日程は、日本プラントメンテナンス協会の公式サイトに掲載されています。
【合格率(2021年度)】
●2021年度の合格率
等級 | 合格率 |
特級 | 39.5 % |
1級 | 27.7 % |
2級 | 32.2 % |
3級 | 71.2 % |
全等級 | 41.7 % |
*データ元「試験結果情報」合格率の詳細はこのあと。
【転職に有利か】
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●需要が少ない理由は、この検定に合格しなくても機械保全の知識とスキルがあれば業務可能だから。
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●しかし、機械保全技能士の肩書に需要はなくても、知識やスキルには需要がある。
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●アピールのカギは、単に検定合格ではなく、検定を活かした実務経験、能力を具体的に説明すること。
機械保全技能士の等級別レベルと受験資格
【特級 機械保全技能士】
●等級のレベル
●受験資格
【1級 機械保全技能士】
●等級のレベル
●受験資格
【2級 機械保全技能士】
●等級のレベル
●受験資格
【3級 機械保全技能士】
●等級のレベル
●受験資格
受験資格の詳細はこちらをご覧ください。
検定にはどんな試験問題が出るか?
機械保全技能士の検定試験にどんな問題が出題されるのか、過去の問題とその正解がこちらのサイトで確認できます。
これは公益社団法人日本プラントメンテナンス協会のサイトです。この協会は職業能力開発促進法に基づく指定機関であり、検定試験の実施機関でもあります。
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ただし、非常に広範囲に渡って保全に必要な知識を身に着けているか問われます。
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日頃の実務の中でしっかり正確な知識を身に着けておかないと、いくら試験場で考えても正解が出てきません。
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過去の問題をしっかり研究すると同時に、各問題の周辺知識まで抑えておく必要があります。
過去問やテキストについては、この後の「試験勉強法」で説明しています。
お金はかかりますが、過去問集と作業別のテキストはぜひ購入して勉強してください。
2021年度 機械保全技能士検定の難易度(合格率)は?
機械保全技能士検定の過去の合格率は公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が公開しています。
ここにデータの一部を紹介します。
【表1.2021年度 全作業 結果】
等級 | 受検者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
特級 | 727 | 287 | 39.5% |
1級 | 8,930 | 2,474 | 27.7% |
2級 | 13,348 | 4,296 | 32.2% |
3級 | 8,574 | 6,103 | 71.2% |
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1つ1つの問題はそれほど難しくないのですが、何しろ広範囲に出題されるので自分の詳しい分野だけの知識で試験を受けても合格出来ません。
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合格ラインの目安は、学科が100点満点で65点以上、実技が60点以上です。
【表2.2021年度 機械系保全作業 結果】
特級は全作業のみで、機械系、電気系と別れた検定はありません。
等級 | 受検者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
1級 | 7,141 | 2,081 | 29.1% |
2級 | 10,822 | 3,566 | 33.0% |
3級 | 7,320 | 5,420 | 74.0% |
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確かに私の経験からも機械系の方が検定を活かす場面が多いと言えます。
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ただ、計測器や検査機など電気系が中心の設備を保全するなら、電気系の保全検定を狙うのもありです。
【表3.2021年度 電気系保全作業 結果】
特級は全作業のみで、機械系、電気系と別れた検定はありません。
等級 | 受検者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
1級 | 1,096 | 246 | 22.4% |
2級 | 2,193 | 565 | 25.8% |
3級 | 1,254 | 683 | 54.5% |
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過去の試験問題を見てみると、電気回りの保全を中心に実務をやっている人でないと難しそうな問題が並んでいます。
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電気系の保全要素が多い設備の保全担当者向けの検定と言えます。
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実技対策は過去の問題から、何度も実際に制作の練習を繰り返しておくことです。制限時間を意識しながら時間配分のペースを覚えておくといいですね。
【表4.2021年度 設備診断作業 結果】
特級は全作業のみで、設備診断作業だけの試験はありません。また設備診断作業の3級検定はありません。
等級 | 受検者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
1級 | 693 | 147 | 21.2% |
2級 | 333 | 165 | 49.5% |
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設備診断作業とは、設備の異常を見つける方法や手段を知っており、その原因を明らかにして対策を行う作業を言います。
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従って試験もそうした作業に必要な知識があるかどうかを問うものです。
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まずは設備が正常か異常か、診断できる知識、技能を持っているかを試す検定です。
機械保全技能士検定の試験勉強はどうやる?
私自身の体験も交えて、いくつか勉強法を紹介したいと思います。
◇テキストや過去の試験問題から学ぶ
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問題と答えを丸暗記するような勉強法ではダメですが、解き方を覚えておくことは必要です。
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あなたが難しいと感じる問題は、その周辺をテキストでしっかり押さえる必要があります。応用が利く、活きた知識として身に付けることが大事です。
おすすめのテキスト、過去問はオーム社や科学図書出版などから出ています。
あなたが使いやすそうだと思う1冊にしぼって、同じテキストを繰り返し勉強してください。
あれこれ何冊も使うより、1冊を使い込んだ方が確実に知識が身に付きます。
●『機械保全技能検定1・2級 機械系学科試験過去問題集 2022年版』
2022年版 機械保全技能検定1・2級 機械系学科試験過去問題集 [ 涌井正典 ] 価格:2,970円 |
●『これだけマスター 技能検定 機械保全(機械系学科1級+2級対応)』
これだけマスター技能検定機械保全 機械系学科1級+2級対応 [ 住野和男 ] 価格:2,860円 |
●『技能検定 機械保全 電気系保全作業 学科・実技 -1・2級対応-』
【POD】これで合格!技能検定 機械保全 電気系保全作業 学科・実技ー1〜3級対応ー [ 岡本裕生 ] 価格:3,740円 |
●『機械保全の合格対策(設備診断編) 技能検定1・2・3級』
機械保全の合格対策(設備診断編) 技能検定1・2・3級 [ 機械保全研究委員会 ] 価格:3,278円 |
※アフィリエイト広告を含みます。
テキストは機械系、電気系、設備診断でそれぞれ出ています。あなたが受験しようと思う作業で購入してください。
今は書籍をネットで購入する人が多いと思いますが、テキストや過去問はできれば本屋で手にとって、使いやすさを比較してください。
迷った時は、改定を重ねた、過去に利用者の多い本が無難です。
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暗記が苦手な人も多いと思いますが、私の場合はカードを作って反復あるのみ、と言う方法でした。(半導体製品製造技能士2級を受験したとき)
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いつでも、どこでもカードを取り出しては反復記憶やっていました。この方法は単純ですが、私にはもっとも効果的な方法でした。
◇JTEXの通信教育を利用する
私はJTEXの通信教育を利用したことがあります。
機械設計を始めて2年目か3年目くらいの時です。自分が設計した試作機を自分で制御して動かすため、シーケンス制御を学びました。
半年ほど勉強して、PLC(Programmable Logic Controller、プログラマブルロジックコントローラ)を使って試作機を動かせるまでになりました。
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学習しては問題解答をして提出、添削指導を受ける、と言うサイクルが自然と身に着いて意思の弱い私も挫折せずに勉強を続けることが出来ました。
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受験用に利用すれば、これだけ学習しておけば合格出来る、と言う目安がハッキリするので目標設定が容易です。
●別冊「問題と解答・解説例」
●レポート課題集・解答マークシート(提出回数6回)
●一般受講料 ¥29,700
※アフィリエイト広告を含みます。
◇職場で勉強会を開く
社内で同じ検定を目指す者が集まって勉強会を開くのもはとても効果的です。私の場合は2級半導体製品製造技能士検定の時に社内で勉強会があり、参加しました。
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やはり一人で勉強を続けるのはよほど意思が強く、モチベーションを高く維持してないと難しいです。
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先生役になった人はご苦労様ですが、これは毎年持ち回りでお願い出来ればいいですね。
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最悪、先生役がいなくても受験仲間同士で勉強会を開くのも効果アリです。誰かが先生役になって問題を出し、それを皆で答えるといった形式ですね。
あるいは、過去問で自分がよく分からない、解けないものがあればそれを出し合って他のメンバーに教えてもらうのも効果的です。
機械保全技能士におすすめの転職エージェント
機械保全技能士を最大限活かせる転職先は、生産技術や設備保全、メンテナンス職です。
そうした転職に強い、メーカー求人の多い転職エージェントを5選紹介します。
エンジニア出身のキャリアアドバイザーや、企業情報に精通した経験豊富なアドバイザーがあなたに最適な転職先をマッチングしてくれます。
マイナビメーカーAGENT
モノづくり・メーカーに強い転職エージェント
項 目 | 概 要 |
サービスの特徴 | ものづくりエンジニアの転職を支援 |
機械保全技能士の求人 | 設備保全、生産技術、メンテナンスの求人多数あり |
求人が多い業界 | 電気・電子機器 機械・機械部品 自動車 半導体など |
強みを発揮するエリア | 主に東京、神奈川、千葉、埼玉など関東圏 |
未経験者の応募 | 全体の数パーセント程度で少ない |
主な対象年齢 | 20代~30代の利用者が多い |
その他 | 厚生労働省認定の「職業紹介優良事業者」。初めての転職も安心 |
注意点 | 関東・関西・東海エリア以外では求人が少ない |
【マイナビメーカーAGENT】
※マイナビのプロモーションを含みます。
リクルートエージェント
求人件数が国内最大級の転職エージェント
項 目 | 概 要 |
サービスの特徴 | 求人件数は国内最大級。電気主任技術者の求人も最大級 |
機械保全技能士の求人 | 生産技術、設備保全で33,000件以上 |
求人が多い業界 | 電気機器・電子部品 自動車 機械・機械部品など |
強みを発揮するエリア | 全国 |
未経験者の応募 | 全体の求人件数が多いので、他のサービスよりは探しやすい |
主な対象年齢 | 求人が多いので全年代で利用可能 |
その他 | 転職支援実績ナンバーワン |
注意点 | 求人の40%以上が非公開。登録して情報入手。 |
【リクルートエージェント】
※リクルートエージェントのプロモーションを含みます。
doda(デューダ)
迷ったらまず登録、転職活動の鉄板転職エージェント
項 目 | 概 要 |
サービスの特徴 | 求人情報が詳細で分かりやすく、転職者満足度No1サービス |
機械保全技能士の求人 | 設備保全、生産技術の求人が約10,000件 |
求人が多い業界 | 自動車 電子部品 機械・機械部品 半導体など |
強みを発揮するエリア | 全国 |
未経験者の応募 | 全体の求人件数が多いので、他のサービスよりは探しやすい |
主な対象年齢 | 求人が多いので全年代で利用可能 |
その他 | スカウトサービス、パートナーエージェントサービスも利用可 |
注意点 | 非公開案件に好条件の求人あり。登録して情報入手 |
【doda(デューダ)】
※dodaのプロモーションを含みます。
メイテックネクスト
エンジニア転職に特化した転職エージェント
項 目 | 概 要 |
サービスの特徴 | エンジニア転職に特化、メーカーの人事担当者と太いパイプ |
機械保全技能士の求人 | 生産技術、メンテナンスの求人が30,000件以上 |
求人が多い業界 | メカトロ分野 電気・電子・半導体 自動車など |
強みを発揮するエリア | 主に関東、関西、東海 |
未経験者の応募 | 全体の数パーセント程度で少ない |
主な対象年齢 | 20代~30代向けの求人が多い |
その他 | 技術畑出身のコンサルタントが半数以上 |
注意点 | 未経験者やスキルのない人には求人が少ない |
【メイテックネクスト】
※メイテックネクストのプロモーションを含みます。
リクルートダイレクトスカウト
年収アップ、ハイクラス転職をめざす転職エージェント
項 目 | 概 要 |
サービスの特徴 | ハイクラス限定のヘッドハンティングサービス |
機械保全技能士の求人 | 生産技術、メンテナンスの求人が1,800件以上 |
求人が多い業界 | 電気・電子・半導体 機械・精密機器 自動車など |
強みを発揮するエリア | 主に関東、関西、東海 |
未経験者の応募 | 未経験者不可(異業種、異職種の転職はあり) |
主な対象年齢 | 20代からシニア世代まで、能力があれば応募可能 |
その他 | 専門的なスキル、キャリアのない人には不向きなサービス |
注意点 | プロフィールが求人条件に合わない場合は紹介されないこともあり |
【リクルートダイレクトスカウト】
※リクルートダイレクトスカウトのプロモーションを含みます。
参考:モノづくりエンジニアの専門資格
モノづくりエンジニアに需要の多い専門資格 | ||
電気主任技術者 | 電気工事士 | 電気工事施工管理技士 |
機械設計技術者 | 機械・プラント製図 | CAD利用技術者 |
機械保全技能士 | 自主保全士 | 電子機器組立て技能士 |
QC検定 | 公害防止管理者 | エネルギー管理士 |
危険物取扱者 | ボイラー技士 | 玉掛作業者 |
半導体製品製造技能士 | *** | *** |
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