品質管理

品質管理の仕事に向いてる人って、どんな人だと思いますか?

私は30年間、モノづくりの現場で品質管理を見てきました。

実績を出す品質管理者と、実績を出せない品質管理者。

その差はスキル以前の問題でした。

 

あなたがこれから品質管理の仕事を目指そうと思っているならぜひ参考にして下さい。

あるいは、現在品質管理の仕事をしていて行き詰っているならぜひ参考にして下さい。

あなたは品質管理の仕事に向いているのか、不向きなのか。

それを考えるヒントにして頂けるかも知れません。

 

品質管理・品質保証に向いてる人、不向きな人

ネット上で「品質管理に向いている人」と検索すると、たいていこんな適性が見つかります。

●物事を突き詰めていくことが好きな人

●細かな点にも気づく人、観察力のある人

●リスクマネジメントの出来る人

●コミュニケーションが得意な人

●間違いを妥協せず指摘出来る人

この他にも、プレゼン能力のある人、ドキュメント作成が得意な人、数字に強い人、などが出てきます。

確かにそれらの適性は品質管理、品質保証の仕事に必要かも知れません。しかし、私が思うにもっと大事な条件があります。

 

QC7つ道具
QCの7つ道具も大事ですが・・・

 

ところで話は変わりますが、私は大学を卒業するとすぐに関西の事務機メーカーに就職しました。

そして13年後、Uターン転職で九州に戻り、半導体業界に就職しました。

 

どちらの会社でも私自身は品質管理の専従者になったことはありませんでしたが、品質に深くかかわる仕事をしてきました。

非常に顧客に近いポジションで仕事をしていました。

 

特に半導体工場で働いていたある時期は兼任で一部の検査部門も担当していました。

従って何人もの品質管理、品質保証の責任者、担当者と一緒に仕事をしていました。

 

そんな私が思う、「品質管理・品質保証に向いている人」とは・・・

ズバリ、

『メンタルが強い人』

この一言に尽きます。

 

反対に、品質管理、品質保証の仕事に不向きな人とは、

『メンタルが弱い人』

これまたこの一言に尽きます。

 

いかに数字に強く分析力に優れ、洞察力があってもメンタルの弱い人は決定的に品質管理、品質保証の仕事には向きません。

なぜなら、品質管理の仕事とは、実は対人関係で苦労する仕事だからです。数字やデータで苦労する仕事ではありません。

怒った男性

 

ある時はクレームの被害にあって感情的になっている顧客を前にして言うべきことをハッキリ伝える。

またある時は社内の人間に反発をかうようなことでも必要なら納得させる、そんなタフな仕事です。

それを可能にするのはまずメンタルの強さであり、テクニックやスキルはその後に必要となる手段に過ぎません。

 

品質管理、品質保証とは、嫌な言い方、極端な言い方をすれば、「周囲はみんな敵ばかり」みたいな仕事なのです。メンタルが相当強い人にしか務まりません。

気の小さい人、弱気な人には向いていない仕事だと言えます。

 

■関連記事:品質管理の転職におすすめの転職エージェント

 

メンタルが弱い人はつぶれ、強い人は成功する

私は何人もの品質管理、品質保証の担当者を見てきたし、いっしょに仕事もしてきました。

そんな私が知る限り、品質管理の仕事における最大のストレス要因は品質クレーム対応です。

 

他にも外部からの品質監査や社内の品質改善活動など、面倒で憂鬱になってしまう仕事はありますが、クレーム処理ほど嫌なものはありません。

 

クレーム

 

何しろクレーム対応と言う仕事は発生する時は必ず突発的であり、しかもいったん発生すると他の仕事を全部止めてでも優先的に処理しなくてはなりません。これが本当に参ってしまうのです。

 

心の準備も仕事の段取りも出来ていません。当たり前です。前もって分かっているクレームならそもそも未然に防ぎます。

クレームと言うのはいつ起きるか分からないものなのです。

 

そして先ほども言ったようにクレーム対応をこなすにはメンタルの強さが不可欠です。私はメンタルが弱くてクレーム対応が思うようにできず、悩んだ末に精神を病んでしまった担当者を知っています。

 

顧客と社内製造部門、開発部門との板挟み状態になって身動きが取れず、一人で抱え込んでしまいつぶれてしまったのです。

 

カスタマークレーム

 

この手のメンタルの弱い人は、本人は一生懸命仕事をしているのに顧客からも社内からも評価されず信頼されません。

なぜならその場、その場で相手の顔色を伺い自分のしっかりした信念を貫き通すことが出来ないからです。

 

そんなメンタルの弱い担当者とは正反対にメンタルがめちゃ強く、クレームが発生しても冷静沈着、顧客の前でも堂々としている担当者もいました。

 

社内に向かっても必要なことは反発をくらっても押し通します。一時的に険悪な雰囲気になってもひるむことがありません。

 

こうしたメンタルの強い担当者の仕事ぶりは、最終的には顧客からも社内からも信頼されます。

顧客からすると、顧客起点の目線、発想でクレーム処理をしてくれるという安心感が信頼につながります。

 

また社内の製造部門からすると、耳の痛いことも言うしやりたくない仕事も指示するけど、とにかくあいつに任せておけば最後はうまくまとめてくれる、と言う信頼感があります。

 

品質管理

■関連記事:品質管理の転職におすすめの転職エージェント

 

まとめ

どんな仕事でもその仕事をやり抜く、苦難にめげない、負けないメンタルは必要です。それは品質管理、品質保証に限りません。

 

しかし、前向きな仕事をガンガン攻めてやっていくのと、クレーム処理と言う後ろ向きの仕事を丸く収める仕事では必要とするメンタルの強さが違います。

長年品質管理の仕事を身近で見たり、実際に自分もやってみてそう思います。

 

クレーム処理こそメンタルの強さが試される試練の場と言えます。

そして、元々メンタルはそんなに強い人間でなくても、試練の場を幾度となく経験することで段々とタフになっていくこともあります。

 

しかし、先に紹介したメンタルの弱い担当者の例のように、そのままつぶれて病気にさえなってしまうこともあります。

 

悩むサラリーマン

 

さて、あなたのメンタルの強さはいかほどでしょうか。

クレーム処理で顧客対応や社内調整を平然とやれますか?

ひるまずやれますか?

ビビらずやれますか?

 

仮にあなたがクレーム処理について、

「そんなもの、ストレスでも何でもない。品質管理として当たり前、ごく普通の仕事だ。」

と言い切ることが出来るとしたら・・・

あなたは間違いなく品質管理に向いています。きっとこの仕事で成功することでしょう。

 

■関連記事:品質管理の転職におすすめの転職エージェント